住まいの購入を思い立っても「何を準備して、何から始めたらいいの?」
明確な順序や答えがないため、手探りで始める方がほとんどです。
いざという時に慌てないよう、必要な手続きやお金を支払うタイミングなど、事前に段取りを整えておきましょう。
STEP1:家を建てる目的とは?
どうして家を建てようと思ったんですか。
・・・。
すぐに答えれなかった方は、
「なぜ家を建てようと思ったのか」を家族でしっかりと話し合い、明確にして下さい!
- 「子供が大きくなってきたので、子供部屋を作ってあげたいから」
- 「家庭菜園を楽しみながら、のんびりした生活がしたいから」
- 「ハザードマップを考慮し、安心できるエリアに住みたいから」
など、家族によって様々だと思います。どんな家に住みたいかイメージすることも大切な事ですが、それと同時に、「なぜ家を建てようと思ったのか」、動機を明確にし、迷わず家づくりを進めて行く為にとても大切なことです。
住宅メーカーや工務店のホームページを見てみるのも良し!本や雑誌で見てみるのも良し!インスグラムやYouTubeを活用してみるのも良し!
インスタグラムでは、お客様からの質問をライブ配信型で解答したり、自社で家を建て、実際に社員が暮らす自宅を紹介する取り組みをしている会社もあります。
沢山の住宅メーカーや工務店の家を見てみて、気になる住宅メーカーや工務店の資料請求をし、しっかり下調べをして下さい。好みの雰囲気やスタイルが少しずつわかってくると思います。
また、資料請求で届く資料は、どのメーカーも力を入れて作り込んでいるため、独自の工法やこだわりの材質、自分たちが求める住宅性能か、効率よくチェックすることができます。住宅のデザインや仕様にも流行りがあり、今のトレンドを知れるというのもポイントです。
住宅展示場の一番のメリットは、実際に室内を見たり、触れたりと体感できることです。
また、住宅メーカーの営業担当者から話聞くことで、メーカー独自の工法や省エネ性能など住まいに関する知識を深めつつ、各社比較することができます。
効率的に回りたい方は、内見に一社あたり、数時間程度かかることも多いため、あらがじめ2~3社に絞ることをオススメします。
一方で、住宅展示場は規模が大きく、一般的な住宅よりも高いグレードで建てられているあることが多いの為、イメージが沸きづらいことも。
そういう場合、住宅会社によっては、販売中の建売住宅や、街中にあるモデルハウス入居前の内覧や、完成現場見学会、オーナー様宅の見学会などを、案内をしている会社もあります。実際に建てられる家の大きさに近い物を見学することが可能な為、理想の家をイメージしやすくなるはずです。
また住宅会社を訪問すると、営業担当者が対応してくれます。最初のご案内から完成後の引き渡し、住宅会社によってはその後のアフターサービスまでと、これから長いお付き合いになりますので、家づくりに関して積極的に質問してみて下さい。
STEP2:資金プランの計画
あらかじめ自己資金を把握し、予算をしっかり検討することが大切です。
家の購入は高額な為、日常との金銭感覚がズレてしまいやすいです。「数十万な大丈夫」が積み重なり、「数百万の違いになっている」ことも少なくありません。思い切って予算オーバーの契約してしまった場合、返済期間は約15年~35年と長期間続くため、毎月の返済額を大きいと生活にしわ寄せが来ることも。特に子供の養育費で返済が窮する場合がありますので、慎重に考慮しましょう。
家づくりにかかる主な費用は、
- 本体工事費
- 別途工事費:外構(門やフェンスなど)、建物本体以外の工事
- 諸費用:税金や、申請、登記に必要な費用等
土地取得にかかる主な費用は、
- 土地代金
- 仲介手数料:基本的には、(土地代金)×3%+60,000円+消費税
- 諸費用:土地所有権移転登記費用・不動産取得税等
よく見落としがちなのが、諸費用です。諸費用は、「建築費の5%〜10%程度」が目安となります。割合にすると少ない印象がありますが、例えば、3,000万円が全体の費用の場合、諸費用は300万円となり、少し印象が変わってくると思います。
一般的に、頭金(自己資金)は、2~3割が目安と言われています。
最近では「頭金なしでも住宅の購入が可能」と聞いたことがありますが。
たしかにフルローンをよく耳にしますが、借入可能額は、借りる人の年齢や健康状態、収入や勤続年数を基に金融機関が審査します。
ローンの優遇条件に頭金がいくら用意できるが挙げられることもあるんです。
また、フラット35の他、金融機関の住宅ローンには、一定の金額の頭金を用意することを条件とし、通常金利よりも低金利が適用になる商品もあります。
資金援助を受けられる場合、贈与税の制度を知っておく必要があります。
ここでは、二つの制度をご説明致します。
贈与税の特例
親からの資金援助を受ける場合、年110万円までの贈与は非課税・申告は不要です。
また、住宅資金として父母や祖父母からの贈与を受ける場合、申告をすれば、一般住宅は500万円、省エネ等住宅は1,000万円まで非課税になります。
住宅の種類 | 令和5年12月31日まで |
---|---|
一般住宅 | 500万円 |
省エネ住宅 | 1,000万円 |
相続時精算課税制度
親や祖父母からそれぞれ最大2,500万円までの贈与について、贈与回数に関係なく、贈与税が非課税となる制度のことです。贈与財産の種類には制限はなく、現金や不動産などで利用できます。暦年課税と比べて一度で多くの贈与を受けることができます。
ただし、この2,500万円は贈与税が非課税になるだけで、将来の相続時には、この贈与財産も相続財産と合算され、相続税が計算されます。あくまで課税の先送りであり、この制度は財産の早期移転を促すもので、資産の少ない若者世代への、住宅購入資金や住宅ローンの負担軽減などにあてられるメリットがあります。
贈与する人 | 60歳以上の父母・祖父母 |
贈与を受ける人 | 18歳以上の子供・孫 |
非課税枠 | 生涯でそれぞれから2,500万まで |
2500万を超えたら | 超えた金額に対して、20%課税 |
贈与を受けたら | 非課税限度額内でも、翌年に確定申告 |
STEP3:土地探しの進め方
私は、土地所有しています!
私は、土地探しからです!
土地を所有している人といない人で注意点が変わってきますので、それぞれご説明致します。
土地を所有していても、すぐに家を建てれるわけではありません。まずは、地盤調査をして、家を建てても大丈夫なのかを確認します。地盤調査の結果によっては、地盤改良工事の費用が発生する場合があります。
また、ライフラインの整備(上下水道・電気)をする必要があります。水道の引き込み工事が必要か、近くに引き込み可能な電線・電柱はあるかを確認しましょう。水道の引き込み工事の相場としては30万~50万円くらいかかるといわれています。予算に入れておきましょう。
土地探しから家づくりを始める方は、まずは「土地から探そう!」と思い、不動産会社を調べ、訪れる方もいらっしゃるかと思います。
希望するエリアの価格相場や、周辺環境を知ることも大切ですが、
実は、土地を探しながら、平行して住宅会社や工務店などの会社を決める方が、土地探しの失敗するリスクが軽減します!
先に土地だけ決めて失敗した例として、
- 気に入った土地が見つかったが、そもそも建てたい間取りの家が建つ土地かどうかは分からない。
- 住宅にかかる予算がわからない為、土地に予算をかけすぎた。
- ライフラインの整備や、道路との段差を解消する為に土を盛るが必要があるため、更にお金がかかる。
住宅メーカーや工務店がある程度決まっていると、候補にあがった土地を購入する前に、イメージしている家が建築可能な土地なのか、住宅メーカーや工務店にアドバイスをしてもらう事ができるんです。
また土地を購入する際は、「信頼できる不動産会社を見つける」ことも重要です!
仲介手数料が掛かったとしても、必ず不動産会社を通して購入することをオススメしております。
信頼できる不動産会社に依頼することで自分たちの味方になって、土地探しをしてくれるばずです!
STEP4:自分にあった住宅会社の決め方
「どこに家づくりを依頼するか」ということが、家づくりを成功させる大きな鍵を握っています。
依頼先は主に、
- 住宅メーカー
- 工務店
- 設計事務所
の3つです。
住宅メーカー
安定した品質の家を建てたい人にオススメなのが、「住宅メーカー」です。
それぞれの会社独自の研究による、最新技術を駆使した住宅のデザインプランを複数紹介してくれます。工期が比較的短い事が多いです。
また、資金計画やアフターサービスまで対応してくれ、細かなサービスに期待できます。
一方で、設計や仕様がある程度規格化されていることが多く、自由に選べない場合があります。
工務店
地元ならではの安心感が期待でき、設計から施工まで一貫して引き受けるのが、「工務店」です。
地元の小規模の工務店から、フランチャイズしている大規模の工務店まで、様々です。工務店は、大工を抱えている会社が多く、現場に精通おり、自社で施工をする安心感があります。
一方で、友人や知人からの紹介というケースが多く、馴染みのない地域への場合は、特に自分たちの好みの工務店の情報収集に、苦慮する可能性があります。
設計事務所
自由度が高く、好みを反映したオーダーメイドの家を建てることができるのが「設計事務所」です。
デザインの自由度もそうですが、狭い土地を上手に使って広々した住環境を考案したり、通風や日当たりを工夫したりと、ケースに合わせた提案をしてくれます。建築家によって得意な作風が異なります。過去の施工例を参考に設計事務所を選定してみてください。
住宅の工事費以外に、設計費用がかかります。住宅の工事費の約10~15%が建築家への費用と考えておきましょう。また、設計や施工に時間がかかるため、完成までの日程的な余裕が必要です。
STEP5:契約~工事開始
気になる住宅メーカーや工務店に、設計プランや概算見積もりを出してもらい、検討します。
その後、1社に決めたのち実施設計へと進みます。
「実施設計」で詳細部分まで設計が行われており、現場の施工業者はそれを用いて家を建てていきます。また、細かな費用が算出され、最終的な見積もりと工事内容が確定します。
そして実施設計時に作成した設計図を利用して、自治体などに「建築確認申請」を行います。
建築物の建築はこの「建築確認申請」の手続きを行ったのち、「建築確認通知書」を受け取らないと、工事に着手できないんです。
また場合によっては、実施設計の前に仮契約を結び、見積り額の10%程度の着手金を払う場合もあります。
実施設計が終わり、工期や金額に合意すれば、「工事請負契約」を結びます。
その後、本格的に家の建築が始まります。
最後に
いよいよ待ちに待った新居が完成し、引き渡しへと移ります。
家づくりは、約1年と長い道のりです。土地探しに躓き、なかなか家づくりが進まなかったり、理想としていた家と予算が合わなかったりと、苦労することもたくさんあると思います。しかし、家づくりは人生に1回きりのことが多いです。ぜひ、楽しいんで下さい!
「なぜ家を建てようと思ったのか」ということを忘れず、「家が欲しい!」という気持ちを大切にして欲しいと思います。
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